皆様こんにちは。
株式会社プラスイノベーションです。
早いもので今年も折り返し地点の頃となりました。
今月のコラムは、教室でのお子様たちの様子をお伝え致します。
プラスイノベーションの教室では、SST(ソーシャルスキルトレーニング)として、毎月テーマを決めてお話しをさせて頂いています。
ソーシャルスキルとは、社会生活や人間関係を営むために必要とされるスキルのことで、キッズテックでは、日常生活の困りごとが少なく、小さくなるよう、様々な特性や年齢層のお子様にあわせた伝え方が出来るように工夫をしています。また、5領域に沿った療育内容を身近な出来事を題材にして、SSTの時間の中でその体験、経験が出来る機会としています。
例えば、「運動・感覚」の分野においては、視覚的な観点で、パワーポイントを用いたスライド中の文字数や文字の大きさなど、情報量が過剰にならないよう作成したり、「言語、コミュニケーション」分野では、年に数回行う教室間のつながりを目的とした交流会(ZOOMを活用)やお楽しみ会を行っています。
さて、今回は、そんなSSTに参加してくださったお子様たちの様子をご紹介致します。
教室内は、お楽しみ会として『教室の誰かが作ったゲームで遊んでみよう大会』が行われており、自分たちが作った10作品ほどのゲームを制作者を伏せて順番にプレイをしていました。
●A君のメモ
みんなが作ったゲームを楽しんでいる時間に、A君は鉛筆を握って、プリントの裏に何かを書いていました。A君は、アニメやゲーム、音楽が好きで、普段から自分の好きなことから得たアイデアをゲーム制作に取り入れていました。今回のゲーム作りでも、背景にお気に入りのCDのジャケットデザインをオマージュとして取り入れたと話していました。そんなA君が何を書いているのか聞いてみたところ、さっきまでプレイしていたゲームのステージが、今後のゲーム作りの参考になりそうだからメモをしていたとのことでした。ゲームを楽しむことも大切ですが、友達の作品のそのゲームの上手だなと思ったところや真似したいと思ったところを、参考のために残しておこうとメモをしていたA君。自分の必要な情報を選んで、メモするといった一連の認知過程が感じられました。次回の作品、楽しみにしています。
●すてきな交流
C君が作ったゲームにD君は興味津々でした。普段は、自由時間に自分の気に入ったゲームしかしないD君でしたが、C君が自作のゲームをみんなの前で紹介したときに、「やってみたい!」という思いが湧いてきたそうです。
D君の熱意にC君はうれしくなって、早速プレイが始まりました。しかし、これがなかなか苦戦を強いられて、簡単にはクリアできません。
C君は、すぐに諦めてしまうのでは…と思いながら、見守っていました。しかし、D君の負けず嫌いな性格もあって、「絶対、クリアしたい!」といいながらのトライ!大きなリアクションで、何度も何度も挑戦していました。自分の作ったゲームに興味を持ってくれる友達が、目の前でプレイするのを見ているC君と自分の思いをしっかりと言葉にして、クリアするまで笑顔で挑戦し続けるD君、笑顔あふれる「WinーWin」の関係で、すてきな交流ができました。
●ゲームがきっかけで…
E君の制作したゲームは、派手さはなく、穏やかな雰囲気を持つ作品ですが、見た目の印象ほど簡単ではなく、クリアできるかできないかという非常に絶妙な難易度になっていました。
みんながそれぞれのペースで、ゲームを1つ1つクリアしていきましたが、ある一定の時間から、全部のパソコンの画面が、同じになっていました。
E君のゲームです。キーボードを叩く音と小さなため息、時々「わー」という大きな声。いつの間にか、教室内に一体感が生まれた感じでした。授業の終了時間が迫ってきたとき、教室の端のほうから「やった~!」という声が聞こえてきました。そのあとの「クリアできたよ!」の言葉に、誰からともなく、拍手が起こりました。後日、このことをきっかけに、それほど会話もなかったお子様同士が、なにげない話をしている姿が見られるようになりました。ゲーム攻略という共通の目標に向かって、「一緒に頑張った仲間」という意識が芽生えたのかもしれません。
ちなみに、この時、たまたまお休みをしていたE君は、自分の作品の「ゲームクリア」で、教室中が熱くなっていたとは思いもしませんでした。
小さな出来事ですが、その小さな出来事から、成長の芽が伸び始めていくのだと思います。
「同じ教室にいる」という関係から、同じことを学んだり楽しんだりできる「友達・仲間」として、私たちスタッフも一緒に成長していけたらと思います。
これからも、教室の取り組みとお子様たちの様子などをご紹介していきますので、お楽しみに!