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コラム

吃音(きつおん)とは何か|発達障害との関係と子どもへの向き合い方

2026.02.20

吃音(きつおん)とは何か|発達障害との関係と子どもへの向き合い方

「うちの子、同じ言葉を繰り返して話すことがある。これって吃音なの?」そんな不安を感じている保護者の方は、少なくありません。吃音は、言葉がつまったり、繰り返したり、なかなか出てこなかったりする発話障害の一種です。幼児期に始まることが多く、成長とともに自然に改善するケースもある一方で、適切なサポートが必要になる場合もあります。この記事では、吃音の基礎から発達障害との関係、日常での接し方まで、現場の知見をもとに整理しています。

吃音とはどのような状態か

吃音(きつおん)とは、言葉の流暢さが損なわれる発話障害のひとつです。医学的には「流暢性障害」とも呼ばれ、同じ音や音節を繰り返したり、特定の音が出づらくなったりする状態を指します。

日本語では「どもり」とも呼ばれてきましたが、この呼称には差別的なニュアンスが含まれることから、現在は「吃音」という用語が広く使われています。

吃音症の三つの症状タイプ

吃音の症状は大きく三つに分類されます。それぞれ現れ方が異なるため、「これが吃音なの?」と気づきにくいケースもあります。

  • 連発(れんぱつ) 同じ音や音節を繰り返す。「か、か、か、かあさん」のような状態。幼児期の吃音に多く見られます。
  • 伸発(しんぱつ) 音を引き伸ばす。「かーーーあさん」のように最初の音が長くなる状態。
  • 難発(なんぱつ) 言葉を出す直前に詰まってしまい、なかなか話し始められない状態。外から見ると「口が動いているのに声が出ない」ように見えます。

難発は特に「言葉が出ない」という感覚が強く、本人にとって精神的負担になりやすいタイプです。大人の吃音者に比較的多く見られます。

吃音が起こる原因

吃音の原因については長年にわたって研究が続けられており、現在は「遺伝的要因」と「脳の機能的差異」が主な背景として考えられています。

日本財団ジャーナルで吃音の専門医が述べているように、吃音は「生まれつきの遺伝子が原因」であり、親の育て方や家庭環境が吃音を引き起こすわけではありません。これは、吃音のある子どもを持つ保護者にとって非常に重要なポイントです。「自分の接し方がいけなかったのでは」と自分を責めてしまうケースをよく見聞きしますが、その必要はありません。

脳科学的なアプローチからは、吃音のある人は発話に関わる脳の領域(ブローカ野やウェルニッケ野周辺)の活動パターンが異なることも明らかになっています。つまり吃音は「意志の力で治せるもの」ではなく、脳のネットワーク差異として捉えるべき状態です。

💡 POINT
「緊張するからどもる」という言い方をよく聞きますが、因果関係はむしろ逆です。吃音があることで対人場面への不安が高まり、その結果として緊張が生じやすくなります。緊張が吃音の根本原因ではない、という認識が支援の第一歩です。

吃音と発達障害の関係

「吃音は発達障害なのか」という疑問を持つ方は多くいます。結論から言うと、吃音はDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)において「小児期発症流暢症」として独立した診断区分に位置づけられており、厳密には発達障害(ADHD・ASD・LD)とは別の診断です。

ただし、吃音とADHDやASDが重複して現れるケースは少なくなく日本吃音・流暢性障害学会も「合併症」として言語発達の遅れやADHDとの関連を挙げています。これが「吃音=発達障害」という誤解を生む一因になっていると考えられます。

ADHDと吃音が重なるとき

ADHDを持つ子どもに吃音が見られる場合、その背景には「頭の回転に言葉が追いつかない」というメカニズムが働いていることがあります。思考のスピードが速く、伝えたいことがどんどん出てくるなかで、発話のテンポが乱れるというパターンです。

現場の感覚として言えば、ADHD的な特性(衝動性・多動性)が強い子ほど、話し始めの連発が目立ちやすい傾向があります。これは「吃音が悪化している」のではなく、特性として自然な表れである場合がほとんどです。

吃音の「疫学」から見えること

吃音の有病率は一般人口の約1〜2%とされ、子ども全体では約5%が一時的に吃音を経験します。そのうち自然に回復するのが約75〜80%とされており、国立障害者リハビリテーションセンターの調査でもこの傾向が確認されています。

ではなぜ残りの20〜25%は長期化するのでしょうか。性別差(男性に多い)・発症年齢・家族歴の有無・本人の心理的反応など複数の要因が複合的に影響すると考えられており、「この条件に当てはまれば必ず続く」という単純なモデルは成立していません。早期に専門家に相談することが、長期化のリスクを下げるうえで大切です。

子どもの吃音にいつ気づき、どう見極めるか

吃音の発症は2〜5歳に集中しています。ちょうど言語爆発期と重なる時期で、語彙が急増するのに発音や文法が追いつかず、一時的に発話が乱れることは多くの子どもに起こります。この「生理的な非流暢」と吃音をどう区別するかが、保護者にとって最初の難しさです。

専門家への相談を検討したいサイン

下記のような状態が続く場合は、言語聴覚士や専門医への相談を検討してください。

  • 同じ音を3回以上繰り返す(「ぼ、ぼ、ぼ、ぼく」など)
  • 話すときに顔をしかめる、目をつぶる、頭を振るといった体の動きが伴う(随伴症状)
  • 「うまく話せない」と子ども自身が気にする発言をしている
  • 発症から半年以上経過しても改善の兆しがない

随伴症状は、吃音そのものより見落とされやすいサインです。体の動きは「吃音を乗り越えようとする本人なりの工夫」として始まることが多いのですが、長期化すると習慣化してしまいます。早い段階で気づくほど対応の選択肢が広がります。

吃音のある子どもへの接し方

吃音の支援において、保護者や周囲の大人の関わり方は大きな意味を持ちます。ただ、「何をしてはいけないか」を意識するあまり過剰に気を遣うことが、かえって子どもに緊張感を与えてしまうこともあります。

保護者として意識したい関わり方

専門家が推奨する対応としては、まず「最後まで話を聞く」という姿勢が基本です。途中で言葉を補ったり、「ゆっくり言って」と声をかけることが善意であっても、本人に「自分の話し方は直さないといけない」という意識を植えつけてしまうリスクがあります。

話す内容に対して自然に反応することが、結果的に最も良い環境をつくります。「何を話しているか」に集中することで、子ども自身も「話すこと」ではなく「伝えること」に意識を向けられるようになります。

⚠️ 避けたい関わり方
「もう一度ゆっくり言って」「深呼吸してから話して」といった指示は、話すことへの意識を高めてしまいます。また、吃音を話題にしてからかったり真似したりすることは論外ですが、逆に「絶対に触れてはいけないもの」として過剰に隠すことも、子どもに「自分の話し方は恥ずかしいことだ」という印象を与えかねません。

学校・保育園での環境調整

集団場面では、吃音のある子どもが特にプレッシャーを感じやすい状況があります。音読(特に指名読み)、発表、電話応対のロールプレイなどが代表的です。担任の先生と連携し、「事前に読む箇所を知らせる」「発表の形式を工夫する」などの配慮を相談することが有効です。

吃音は「意志の弱さ」や「練習不足」ではないため、努力で克服させようとするアプローチは逆効果になることが多いという点を、学校側にも理解してもらえると子どもの学校生活の質が大きく変わります。

発達特性のある子どもの支援について、専門スタッフに相談してみませんか

株式会社プラスイノベーションが運営するKid'sTECH(キッズテック)では、ADHD・ASD・LDなどの発達特性を持つお子さまに対し、ITを活用した療育プログラムを提供しています。吃音と発達特性が重なるケースにも、臨床心理士・公認心理師のスタッフが個別に対応しています。

吃音に対する治療・支援の選択肢

吃音の支援は「これが絶対に正しい」という一本道ではありません。本人の年齢・症状の種類・心理的な状態・生活環境に応じて、アプローチを組み合わせていくことが基本です。

言語聴覚士によるアプローチ

言語聴覚士(ST)は、吃音の専門的な評価と訓練を行う専門職です。子どもに対しては「間接法」が主流で、直接「どもらないように話す練習」をするのではなく、話しやすい環境を整えたり、コミュニケーションへの自信を育てたりすることに重点が置かれます。

成人の場合は「流暢性形成法」(話し方のパターンを変えて流暢さを高める)や「吃音緩和法」(吃音が出ても楽に話せるよう調整する)などが用いられます。どちらが合っているかは個人差があり、試行錯誤を伴うことがほとんどです。

認知行動療法と心理的なサポートの意義

吃音の支援において、発話そのものと同じくらい重要なのが「話すことへの恐れや回避行動」への対応です。吃音が続くと、特定の言葉や場面を意図的に避けるようになる「回避行動」が生じることがあります。電話を避ける、自己紹介の場で名前を変えて言う、などがその例です。

認知行動療法(CBT)は、こうした回避パターンや「どもってはいけない」という思い込みに働きかけ、吃音があっても積極的にコミュニケーションを取れるよう支援します。特に青年期以降の吃音者に効果が認められており、日本でも取り組む専門機関が増えています。

支援の種類 主な対象 アプローチの焦点
間接法(言語療法) 幼児・学童 話しやすい環境づくり・自己効力感の向上
直接法(流暢性形成) 学童〜成人 発話パターンの調整・流暢さの改善
認知行動療法 青年〜成人 回避行動の軽減・コミュニケーション意欲の回復
自助グループ活動 全年齢 当事者同士の共感・情報交換・孤立感の解消

大人になってからの吃音と向き合う

「大人になってから突然吃音が出始めた」という相談も、実は珍しくありません。職場でのストレス増加や強いプレッシャーを契機に、潜在的な吃音傾向が表面化するケースがあります。また、子どもの頃に自然軽快していた吃音が、ある時期を境に再発したように感じられる場合もあります。

成人の吃音で難しいのは「周囲への影響」と「自己評価の低下」が絡み合う点です。電話対応、会議での発言、初対面の挨拶など、職業生活には発話が必要な場面が多くあります。吃音を隠そうとすればするほど緊張が高まり、結果として症状が出やすくなるという悪循環も起こりやすくなります。

この循環を断ち切るうえで有効なのが「自己開示」です。職場の信頼できる同僚や上司に吃音について伝えることで、「隠さなければ」という緊張から解放され、話しやすい状況が生まれやすくなります。吃音を持つ医師や著名人がオープンに語るケースが増えていることも、こうした環境整備に貢献しています。

発達特性を「弱み」ではなく「強み」として捉える視点

吃音や発達特性のある子どもたちに関わるなかで実感することがあります。それは、「話すことが難しい」という経験が、別の表現手段への強いモチベーションになることです。文字を書くこと、絵を描くこと、プログラミングでものをつくること——そうしたアウトプットの形が話す以外にもあると気づいた子どもが、一気に力を発揮し始める場面を見てきています。

吃音があることで対人関係に傷ついた経験は、その子が成長してから「話すことの大切さ」「伝わることの喜び」を誰よりも深く理解できる素地になることがあります。これは楽観論ではなく、支援の現場で繰り返し目にしてきた事実です。

発達特性のある子どもたちが「弱みを克服する」のではなく「強みを伸ばす」方向で育てば、社会はより豊かになります。ITや創造的な仕事の分野では、特性が競争力になるケースは現実に増えています。

保護者様の声

"学校では多動が激しくじっと座ることができず悩んでいましたが、Kid'sTECHのシンプルな教室環境では集中して過ごすことができています。プログラミングを通じて、息子の新しい可能性を発見できました。"

— 小学3年生 ADHD 母親(蒲田教室)

発達特性に寄り添う支援について相談する

吃音の背景に発達特性がある場合、単独の言語訓練だけでなく、特性全体を理解したうえでの包括的な支援が効果を高めます。しかし、そのような専門機関を見つけることは、まだ日本では容易ではありません。

株式会社プラスイノベーションでは、ADHD・ASD・LDなどの発達特性を持つ子どもたちに対し、IT療育を軸とした放課後等デイサービス「Kid'sTECH(キッズテック)」を小学1年生から高校3年生まで提供しています。臨床心理士・公認心理師が常駐し、発話や対人コミュニケーションの課題にも個別に対応します。

「吃音があるから発話を避けさせる」のではなく、子どもが得意とする表現手段を通じて自己肯定感を育て、コミュニケーションへの意欲を自然に引き出すアプローチを続けています。兵庫県尼崎市・東京都大田区(蒲田)に教室があり、まずは無料相談・見学から始めることができます。

お子さまの発達特性・吃音について、まずはご相談ください

受給者証をお持ちの方は福祉サービスとしてご利用いただけます。見学・相談は無料です。

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