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コラム

筋トレで気持ち悪くなる原因と対処法|発達特性がある方への支援のポイントも解説

2026.02.21

筋トレで気持ち悪くなる原因と対処法|発達特性がある方への支援のポイントも解説

「体力をつけさせようと運動を始めたら、すぐ気持ち悪くなってしまった」「本人がやる気を見せているのに、筋トレのたびに吐き気が出て続けられない」——そんな場面に、福祉・支援の現場や、発達特性のあるお子さまを育てるご家庭で戸惑った経験がある方も多いのではないでしょうか。

筋トレ中・後に気持ち悪くなること自体は、誰にでも起こりうる生理的な反応です。ただし、ADHDや自閉スペクトラム症(ASD)、起立性調節障害など発達特性のある方は、こうした症状が出やすく、かつ自分で気づいてSOSを出しにくいという特性があります。「慣れれば大丈夫」「気合が足りない」で済ませてしまうと、運動への苦手意識を深めるだけになりかねません。

この記事では、筋トレで気持ち悪くなる原因をひとつひとつ丁寧に整理し、本人・保護者・支援者それぞれが「次に何をすべきか」を明確にできるよう解説します。

筋トレで気持ち悪くなる5つの主な原因

症状の「正体」を知ることが、適切な支援の出発点になります。主な原因は5つに分類できますが、発達特性のある方ではこれらが複数重なって現れることも多く、「体調が悪くなるのは仕方ない」ではなく、一つひとつ丁寧に対応することが大切です。

1 酸欠(血中酸素濃度の低下)

高負荷のトレーニング中に呼吸を止めてしまうことで、血中の酸素が不足し、頭がぼーっとしたり吐き気が起きたりします。スクワットや腹筋など腹圧をかける動作では特に起こりやすい現象です。

支援の場で押さえておきたいのは、ADHDやASDのある方は「自分の体の状態に気づきにくい(内受容感覚の鈍さ)」という特性を持つことがある点です。息が苦しくなっていても気づかないまま追い込んでしまうため、周囲から声をかけるタイミングが重要になります。

2 運動後低血圧

激しい運動中は血液が筋肉に大量に集まります。運動をやめると筋肉の収縮がなくなり、末梢血管に血液がたまった状態になります。これによって脳への血流が一時的に低下し、気持ち悪さやめまいが生じます。医学的には「運動後低血圧(Post-exercise hypotension)」と呼ばれ、脚トレやスクワット後に特に起こりやすい現象です。

3 低血糖

筋トレは糖質(グリコーゲン)を大量に消費します。空腹状態でトレーニングを行うと、血糖値が急落して「低血糖」状態になり、冷や汗・震え・吐き気・倦怠感がセットで現れます。食事の管理が難しいと感じる発達特性のある方では、食事を抜いたままトレーニングに参加してしまうこともあるため、支援者が事前に食事状況を確認する習慣をつけることが予防につながります。

4 食事のタイミングのズレ(消化中の血流不足)

食後すぐの筋トレは、消化のために内臓に集まっているはずの血液を筋肉に奪われる形になります。消化が追いつかず胃がもたれ、吐き気が生じます。食後1〜2時間は体を動かさないことが理想的ですが、時間感覚の管理が難しい方では、活動開始のルーティンとして「食後◯分はゆっくり座る」という構造化されたスケジュールを視覚的に示す工夫が有効です。

5 迷走神経反射と起立性調節障害

強い疲労や緊張が引き金となり、迷走神経が過剰に反応することで一時的に血圧と心拍数が急低下します。顔面蒼白・冷や汗・意識が遠くなる感覚が伴う場合は、この迷走神経反射が疑われます。発達特性のある方では自律神経系の調節が不安定なことがあり、感覚過敏による環境刺激(騒音・温度・においなど)が重なって症状を悪化させることもあります。

また、発達特性と合併しやすい疾患として知られる「起立性調節障害(OD)」も見逃せません。日本小児心身医学会の診断基準によると、思春期の約10人に1人に見られるとされており、自律神経がうまく働かないことで立位や運動時の血圧調節に失敗し、吐き気・めまい・失神を引き起こします。「怠けている」「気持ちの問題」と誤解されやすい疾患であるため、支援者が正確な知識を持つことが本人を守ることに直結します。

症状が出るタイミングで原因を絞り込む

「気持ち悪い」という訴えは同じでも、症状が出るタイミングによって対処のアプローチが変わります。本人が自分で状態を言語化しにくい場合でも、「いつ」症状が出たかを記録することで、支援者側が原因を推測しやすくなります。

タイミング 疑われる原因 確認ポイント
筋トレ中 酸欠・低血糖・迷走神経反射 呼吸が止まっていないか、食事はしてきたか
筋トレ直後〜30分 運動後低血圧 クールダウンを省いていないか
翌日以降も続く オーバートレーニング・起立性調節障害・貧血 睡眠・栄養・基礎疾患の有無

「毎回決まって症状が出る」「運動の種類に関係なく気持ち悪くなる」という場合は、生活習慣の改善だけでは対応しきれない可能性があります。医療機関との連携を視野に入れながら支援計画を立てることが望ましいでしょう。

気持ち悪くなったときの対処法

症状が出たときに「何をすべきか」を事前に本人と確認しておくことが重要です。特に言語化が難しい方や、パニックになりやすい方には、手順を視覚化したカードを準備しておくことも支援の一つです。

  1. 1 トレーニングをすぐに中断する——「つらいと感じたら迷わず止めてよい」と事前に本人に伝えておくことで、症状を悪化させずに済みます。「あと1セット」という声がけは控えましょう。
  2. 2 横になって足を少し高くする——血液を心臓・脳に戻すことが目的です。床に仰向けになり、足を壁やベンチに乗せるだけで数分以内に症状が和らぐことが多いです。
  3. 3 衣服をゆるめ、深呼吸する——お腹やウエスト周りの締め付けをゆるめ、落ち着いたペースで呼吸します。「ゆっくり息を吸って、もっとゆっくり吐く」という声がけも有効です。
💡 支援者向けPOINT
低血糖が疑われる場合は、吸収の早いゼリー飲料やスポーツドリンクで糖質を補給することが有効です。症状が10分以上改善しない場合や意識が朦朧とする場合は、周囲に声をかけて必要に応じて医療機関に連絡してください。発達特性のある方が「大丈夫です」と答えても、外見と実態が一致しないことがあります。表情や顔色を観察しながら判断することが大切です。

繰り返さないための予防策と環境づくり

「気持ち悪くなるから運動が嫌いになった」という経験を積み重ねると、就労訓練や生活習慣の改善に取り組む意欲そのものが損なわれます。予防の視点から環境を整えることが、継続的な支援の基盤になります。

呼吸のルールを「見える化」する

「力を出すときに息を吐き、戻すときに吸う」という呼吸の基本は、言葉だけでは定着しにくい方もいます。ポスターや手順カードを活用して視覚的に示したり、最初はスタッフが隣で「吐いて〜」と声をかけながら一緒に動く形で定着させると効果的です。

食事・水分のルーティンをスケジュールに組み込む

トレーニングの1.5〜2時間前に消化の良い炭水化物(バナナ・おにぎりなど)を摂り、30分前から少量の水分を補給するのが理想的です。これを「自己管理」に任せず、1日の活動スケジュールに明示的に書き込んでおく仕組みが支援の効果を高めます。水分の一気飲みが胃への刺激になることも、事前に伝えておきましょう。

負荷を「成功体験が積める水準」から始める

「限界まで追い込む」という一般的なトレーニング文化は、体調管理が難しい方には向いていません。重要なのは「終わったあとに気持ち悪くならなかった」という成功体験を積み重ねることです。体力レベルより少し余裕のある負荷から始め、継続できた実績を本人と一緒に確認していく姿勢が、長期的な習慣形成につながります。

また、トレーニング後の5〜10分のウォーキングや軽いストレッチ(クールダウン)は、運動後低血圧の予防に直接効果があります。「終わったら終わり」ではなく、クールダウンも活動の一部として構造化しておくことが大切です。

「気持ち悪い」の繰り返しが起立性調節障害のサインの場合も

予防策を実践してもなお、運動のたびに気持ち悪くなる場合は、背景に身体的な疾患が隠れている可能性を考える必要があります。特に注意が必要なのが「起立性調節障害(OD)」です。

起立性調節障害は、自律神経の調節機能の不全によって、立ち上がったときや運動時に血圧・脈拍が正常に維持されなくなる疾患です。日本小児心身医学会の診断基準では思春期の約10人に1人に見られるとされており、発達特性(ADHD・ASD)との合併例も多く報告されています。

支援者が知っておきたいこと

起立性調節障害の子どもや若者が「やる気がない」「さぼっている」と誤解されやすい背景には、体調の波が外から見えにくいことがあります。午前中に特に症状が強く出ることが多く、「朝の活動ができない」「運動するとすぐ倒れそうになる」といった訴えを軽視しないことが、本人の回復と社会参加を支える第一歩になります。

⚠️ 医療機関への相談の目安
症状が毎回繰り返される、10分以上改善しない、意識が朦朧とするなどのケースでは、内科・循環器科・小児科(青年期対応可)への受診を検討してください。自己判断でトレーニングを続けることは、症状の悪化につながる可能性があります。

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運動で気持ち悪くなるという問題は、身体的な対処だけで解決するとは限りません。特に発達特性のある方では、体調管理・生活リズム・就労への準備がセットで整うことで、はじめて安定した運動習慣や社会参加が実現します。

株式会社プラスイノベーションは、発達に凸凹のある子どもたちや若者が「弱みを強みに変えて」自分らしく生きていくための支援を、一貫して提供しています。

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