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コラム

障害受容とは何か|受容のプロセスと家族・支援者が知っておくべき視点

2026.02.21

障害受容とは何か|受容のプロセスと家族・支援者が知っておくべき視点

障害を持つ当事者や家族が、「障害をどのように受け止めていくか」は、支援の質に直結する重要なテーマです。「障害受容」という言葉は医療・福祉・看護の現場で広く使われますが、その本質を正確に理解できている人は決して多くありません。受容とは「諦め」でも「無条件の肯定」でもなく、障害と共に生きる新しい価値観を構築していく継続的なプロセスです。この記事では、障害受容の定義からコーンの段階説、発達障害における特徴、家族や支援者が関わるうえで押さえておくべき実践的な視点までを解説します。

障害受容とは何か

「障害受容」とは、身体的・精神的・知的な障害を持つようになった人が、その事実を内面から認め、自分の人生の一部として統合していく心理的プロセスを指します。1967年にアメリカの心理学者ベアトリス・ライト(Beatrice Wright)が理論的基盤を整理し、その後フランク・コーン(Franklin C. Shontz)らによって段階説が発展しました。

重要なのは、「受容=障害を喜んで受け入れること」ではないという点です。ライトが示した定義では、障害受容とは「障害を価値の喪失として見るのではなく、価値の変容として捉え直すこと」とされています。つまり、健常者と同じ基準で「できること・できないこと」を評価するのではなく、障害を持つ自分自身としての固有の価値体系を再構築することが受容の本質です。

では、なぜこのプロセスが支援において重要なのでしょうか。障害を受容できていない状態が続くと、本人は自分の特性や状況に合った現実的な目標を立てにくくなり、リハビリや就労支援の効果も出にくくなることがわかっています。受容の進捗が支援の成否を左右する、といっても過言ではありません。

コーンの障害受容過程(段階説)

障害受容のプロセスを理解するうえで最もよく参照されるのが、コーン(Kohn)の段階説です。後天的な障害を負った人が経験する心理的変化を5つの段階に整理したモデルで、看護・リハビリ・福祉の現場で広く活用されています。ただし、これはあくまで「典型的な流れ」を示したモデルであり、すべての人がこの順序を直線的にたどるわけではありません。

第1段階:ショック(衝撃)

障害の告知を受けた直後に生じる段階です。思考が停止し、感情が麻痺したような状態になります。「何かの間違いではないか」という感覚が強く、外見上は落ち着いているように見えることもあります。この時期に支援者が行うべきことは、詳細な情報提供よりも「そばにいること」「話を否定しないこと」です。

第2段階:回復への期待(否認)

「治るかもしれない」「きっと元の生活に戻れる」という期待が強まる段階です。医師の診断を疑い、別の病院を探し回る「ドクターショッピング」が起きやすいのもこの時期です。この否認は心理的防衛機制として機能しており、精神的崩壊を防ぐための自然な反応です。否定したり急かしたりすることは逆効果になります。

第3段階:悲嘆と怒り

「なぜ自分だけが」という怒りや、失われたものへの深い悲しみが押し寄せる段階です。怒りの矛先は医療スタッフや家族に向けられることも多く、支援者が振り回されやすい時期でもあります。しかしこれは、当事者が現実と向き合い始めているサインでもあります。怒りを受け止め、感情が正当であることを伝えることが大切です。

第4段階:適応

徐々に現実に目を向け、障害がある状態での生活スタイルを模索し始める段階です。補装具や介助サービスを受け入れたり、職場復帰に向けた訓練に前向きになったりする変化が現れます。ただし、調子の良し悪しによって以前の段階に揺り戻すことも珍しくありません。この行き来を「失敗」とみなさないことが重要です。

第5段階:再統合(受容)

障害を「自分の一部」として統合し、障害と共にある人生に新たな意味を見出せるようになる段階です。ライトが提唱した「価値の変容」、すなわち健常者の価値観を相対化し、自分にとっての豊かさや強みを再定義できている状態がここに当たります。完全な達観ではなく、揺れながらも前を向いている状態、といったほうが実態に近いでしょう。

💡 POINT
コーンの段階説は「直線的に進む」モデルとして描かれることが多いですが、実際の臨床・支援現場では段階を行き来したり、ある段階で長期間とどまったりすることが一般的です。このモデルはあくまで「今その人がどこにいるか」を推測するための地図であり、「どこまで進んだか」を評価する物差しではありません。

「受容できていない」は問題なのか

支援の現場では、「この人はまだ受容できていない」という評価が時として本人へのプレッシャーになることがあります。しかし、障害受容を「達成すべき課題」として設定することには、慎重であるべきです。

日本社会リハビリテーション学会の論考でも指摘されているように、障害受容の概念には「当事者の内面状態を外部から評価・管理しようとする」というリスクが潜在しています。受容の速さや深さを支援者が判断することは、当事者の主体性を損なう可能性があるのです。

現在の支援理念では、「受容を促す」のではなく「受容の過程を支える」という姿勢が主流になっています。当事者が自分のペースで自分の言葉で障害を捉え直していく、そのプロセスに寄り添うことが支援者に求められる役割です。

発達障害における障害受容の特徴

後天的な中途障害を想定したコーンの段階説に対して、発達障害(ADHD・ASD・LD など)における障害受容には独自の難しさがあります。

まず、「障害の発見」が人生のさまざまな時点で起こります。幼児期に診断を受ける場合もあれば、成人後に初めて発達障害と気づく「大人の発達障害」のケースもあります。診断が遅れるほど、長年にわたる「なぜうまくできないのか」という自己否定が積み重なっており、受容のプロセスはより複雑になります。

加えて、発達障害は外見からわかりにくい特性があるため、「見た目は普通なのにできない」という周囲との認識のずれが生じやすく、本人の自己理解を妨げることがあります。「怠けている」「努力が足りない」といった誤解を繰り返し受けることで、障害を受け入れることへの抵抗感が強まるケースも少なくありません。

発達障害の障害受容において特に重要なのは、「できないことの把握」と「できることの発見」を同時に進めることです。弱みだけを列挙して終わるアセスメントではなく、強みや得意分野を具体的に言語化し、それを実生活・就労・学習に結びつける支援が、受容のプロセスを実質的に後押しします。

家族の障害受容とその難しさ

障害受容は当事者だけの課題ではありません。保護者や配偶者などの家族も、それぞれに独自の受容プロセスをたどります。

子どもに発達障害の診断が下りた保護者の場合、「育て方が悪かったのでは」という自責の念が受容を妨げることがあります。また、「もっと早く気づけたはずだ」という後悔と「診断名がついて少し楽になった」という安堵感が同時に存在するなど、感情が複雑に混在するのが特徴です。

特に注意が必要なのは、当事者と家族の受容のペースがずれることです。子ども本人は「障害があっても大丈夫」と思い始めているのに、保護者がまだ「治るかもしれない」と信じている場合、支援の方向性に齟齬が生じます。家族へのアプローチと当事者へのアプローチは、別々に、しかし連携して進める必要があります。

💡 POINT
発達障害のある子どもの保護者支援を行う専門機関では、「ペアレントプログラム」や「ペアレントトレーニング」など、保護者自身の障害理解と受容を支える取り組みが体系化されています。保護者が受容のプロセスを歩めると、子どもへの関わり方にも変化が生じ、支援効果が高まることがわかっています。

「子どもの発達障害をどう受け止めればよいか」「親としてどう関わればいいかわからない」――そうした悩みに、プラスイノベーションでは専門スタッフが個別にお答えしています。

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看護・リハビリ現場での障害受容への関わり方

看護師やリハビリ専門職にとって、障害受容の概念は日常業務に直結しています。「患者が現実を受け入れられていない」という状況に直面した時、どのようにアプローチするかは、支援の質を左右します。

まず押さえておきたいのは、現在のコーンの段階説にもとづく実践では「段階を次に進ませること」を目標としない、という点です。患者が今どの段階にいるかを見立てることで、適切なコミュニケーションの方法や、提供するべき情報の量・内容を調整することが目的です。

たとえば、否認の段階にある患者に詳細な退院後のリハビリスケジュールを提示しても、情報は入りにくいです。一方、適応段階に入った患者には、具体的な目標設定と達成のフィードバックが有効になります。段階に応じた関わりの調整こそが、看護・リハビリにおける障害受容支援の核心です。

また、日本看護科学学会誌などの研究では、患者の「語り」に耳を傾けるナラティブアプローチが受容の促進に有効であることが示されています。「どんな生活に戻りたいか」「何ができるようになったら嬉しいか」という問いかけから始めることで、当事者主体の受容プロセスを支えることができます。

障害受容を「弱みへの適応」で終わらせないために

障害受容の議論で見落とされがちなのが、「受容の先に何があるか」という視点です。受容プロセスが「失ったものに慣れる」という諦めで終わってしまうと、その後の生活や就労への前向きな変化につながりにくくなります。

より豊かな受容とは、自分の特性を理解したうえで、「自分にとっての強みはどこにあるか」を発見していくプロセスと一体になっているものです。たとえば発達障害のある人が、細部への高い集中力や独自の発想力といった特性を、IT・クリエイティブ分野の職種と結びつけることで、「障害があるからこそ活かせる」キャリアを描けるようになります。

弱みに適応するだけではなく、強みを軸に再構築すること。これが現代の障害受容支援において求められる視点の転換です。

プラスイノベーションが実践する「強みを起点にした」支援

株式会社プラスイノベーション(兵庫県尼崎市)は、「発達に凸凹がある子供たちの未来を創造する」をミッションに掲げ、療育から就労まで一貫した支援体制を提供しています。プログラミングを療育ツールとして活用した日本初のIT療育型放課後等デイサービス「Kid'sTECH(キッズテック)」をはじめ、就労型自立訓練「CYBER TECH ACADEMY」、就労継続支援B型「ワークリンク尼崎」など、障害受容の先にある「社会参加」を具体的に支えるサービスを展開しています。

同社の支援の根底にあるのは、「弱みを見つけて補う」という発想ではなく、「その子の特性がどの場面で力になるかを見つける」という視点です。たとえばADHDの特性として挙げられる集中力の偏りや多動性は、ゲーム開発やプログラミングといった分野では高い没入力として発揮されることがあります。ASDの特性として指摘されるこだわりの強さは、品質管理やコーディングにおいて精度の高いアウトプットにつながるケースもあります。

Child'sTECHを長年利用している保護者からは、「プログラミングを通じて、読み書きが苦手な子どもが複雑な指示書を自ら読むようになった」「学校では見られなかった集中力が引き出されている」といった声が届いています。こうした体験の積み重ねが、子ども自身の障害受容と自己肯定感の形成を支えています。

サービス名 対象 主な内容
Kid'sTECH 小1〜高3 IT療育型放課後等デイサービス(プログラミング・デザイン・ゲーム開発)
CYBER TECH ACADEMY 18歳以上 IT就労に特化した自立訓練(最長2年・作業療法士常駐)
ワークリンク尼崎 障害のある方全般 IT・パソコン業務特化の就労継続支援B型(在宅勤務対応可)
MIRAIZ 小学生〜高校生 尼崎市認定フリースクール(不登校・発達障害対応、出席扱い可)

障害受容に悩んでいたら、一人で抱えないでください

「障害を受け入れたい、でもどうすればいいのかわからない」「子どもの特性とどう向き合えばいいのか迷っている」という方は、まず専門機関に相談することを検討してください。受容は一人で成し遂げるものではなく、適切な支援と環境があってはじめて動き出すプロセスです。

プラスイノベーションでは、臨床心理士・公認心理師が常駐し、当事者だけでなく保護者へのサポートも行っています。「療育の相談」「就労の不安」「これからの進路について考えたい」など、どんな入口からでもお気軽にご相談ください。

保護者様の声

「学校では多動が激しくじっと座ることができず悩んでいましたが、Kid'sTECHのシンプルな教室環境では集中して過ごすことができています。プログラミングを通じて、息子の新しい可能性を発見できました。」

— 小学3年生 ADHD 母親(蒲田教室)

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障害受容の過程は、お子さまにも保護者の方にも、時間と専門的なサポートが必要です。プラスイノベーションでは、IT療育・就労支援・フリースクールなど、それぞれの段階に合ったサービスをご提案しています。

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