高校を中退するとどうなる?手続きの流れ・その後の選択肢と進路を解説
高校を中退するとはどういうことか
「中退」「退学」「転学」は、日常的には混同されがちですが、学籍上の意味はそれぞれ異なります。整理しておくと、後の手続きや進路選択がスムーズになります。
中途退学(中退)は、在籍中の高校を卒業せずに学籍を抜けることです。一方、転入・編入は別の高校に籍を移す場合を指し、学籍が継続します。退学届を提出して学籍を完全に消すことを「退学」と呼ぶ学校が多く、中退とほぼ同義で使われます。
文部科学省の高等学校中途退学問題に関する資料によれば、全国の高校中退者数は年間約4〜5万人で推移しており、在籍者に占める割合は約1〜1.3%程度です。決して少数ではなく、毎年一定数の生徒が中退という選択をしている現実があります。
重要なのは、中退後に何もしないことと、中退して次の選択肢に動くことでは、その後の人生への影響がまったく異なるという点です。中退そのものよりも「中退後にどう動くか」が、将来を大きく左右します。
高校を中退する主な理由
中退の理由は「なんとなく」ではなく、その多くに具体的な背景があります。文部科学省の調査では、中退理由として最も多いのが「学校生活・学業不適応」で、次いで「進路変更」「病気・療養・けが」が続いています。
実際の現場では、以下のような複合的な要因が絡み合っているケースが大半です。
- ✓ 人間関係のトラブルやいじめによる登校困難
- ✓ 発達特性(ADHD・ASD・LDなど)による学習・集団生活の困難
- ✓ 高校進学後に希望していた進路や環境と現実のギャップを感じた
- ✓ うつや不安障害など、精神的な健康上の理由
- ✓ 家庭の経済的事情や家族のケアが必要になった
- ✓ 芸能・スポーツ活動や起業など別の道を優先するための自発的選択
ここで注目したいのは、「発達特性」が関係するケースです。ADHDのある生徒は授業中の注意維持が難しく、ASDのある生徒は暗黙のルールが多い集団生活に疲弊しやすいという実態があります。こうした特性起因の困難は、本人の努力だけでは解決しにくく、適切な支援環境があれば継続できたケースも少なくありません。
✓ 「高校が合わない」は本人の問題ではないことも多い
日本の高校は、基本的に「全員が同じペース・同じ方法で学ぶ」ことを前提に設計されています。この仕組みに馴染めない生徒が一定数いるのは、個人の問題というよりも、教育システムと個々の学習スタイルのミスマッチです。
では、なぜそれが問題になるのか。中退を「失敗」と捉えてしまうと、次の行動を起こすモチベーションが下がり、ブランク期間が長引くという悪循環に陥りやすくなります。「合わなかった」という事実を認識した上で、次に何をするかを考えることが、最も重要なステップです。
高校を中退するための手続きと流れ
実際に退学を決意した場合、どのような手順を踏むことになるのか。学校によって細部は異なりますが、一般的な流れは以下のとおりです。
担任・学年主任への相談(三者面談)
まず担任に「退学を検討している」と伝えます。多くの学校では、すぐに手続きに入るのではなく、状況の確認や引き留め・代替案の提案が行われます。この段階で転入・留年・休学といった選択肢が提示されることもあるため、事前に自分の意思をある程度固めた上で臨むと話がスムーズです。保護者の同席が原則となる学校がほとんどです。
退学届の提出と必要書類の受け取り
退学の意思が固まると、学校所定の退学届(退学願)に保護者の署名・捺印を添えて提出します。この際、後の進路に必要な書類を忘れずに受け取ることが重要です。受け取っておくべき書類は「在学証明書(在籍期間証明)」「単位取得証明書(成績・修得単位数)」「調査書」の3点が基本です。通信制高校への転入や高卒認定の受験時にこれらが必要になります。
金銭面・教材の精算
授業料・教材費・積立金などの清算を行います。未払い分の支払いだけでなく、前払い分の返金がある場合もあります。また、学校から貸与された教科書や制服の扱いについても確認が必要です。
私物・書類の持ち帰り
ロッカーや教室の私物を整理します。学生証や生徒手帳の返却も忘れずに。退学が認められた日付が学籍から抹消される日となるため、その日の前後で学校側の事務処理スケジュールを確認しておきましょう。
✓ 公立高校と私立高校での手続きの違い
公立高校の場合、退学届の最終的な決裁は教育委員会ではなく学校長が行うケースがほとんどですが、自治体によって書類の様式が異なります。一方、私立高校は学校独自の様式で手続きが完結することが多く、比較的スムーズに進みやすい傾向があります。
また、中退の時期も重要です。学年の途中で中退すると、その学年の単位はすべて未修得扱いになる学校があります。学年末(3月)まで在籍を延ばせる状況であれば、単位を確保してから退学する方が、転入・編入後の学習負担を減らせます。
高校を中退した後のデメリットと直面しうる現実
中退のデメリットを知らずに動くと、後悔につながりやすくなります。現実を直視した上で、対策を立てることが大切です。
✓ 就職・収入への影響
厚生労働省の調査によると、最終学歴が中卒の場合、高卒・大卒と比較して就職できる求人の幅が狭まりやすいのが実態です。特に正社員採用では「高卒以上」を応募条件とする企業が多く、選択肢が限られます。
ただし、これは「中退=就職できない」ではありません。資格取得や職業訓練によってスキルを持てば、学歴によるハンデを埋めることは十分可能です。特にIT系の職種では実務能力が重視される傾向があり、高卒資格より「何ができるか」が評価される場面も増えています。
✓ 進学ルートが複雑になる
大学・専門学校の多くは「高卒資格または高卒認定合格者」を出願条件としています。中退のままでは一般的な大学受験に出願できないため、まず高卒認定(高認)試験に合格するか、通信制・定時制高校を卒業して高卒資格を取得するステップが必要になります。
「高認を取れば大学に行ける」という情報は正しいですが、高認はあくまで「高校卒業と同等の学力を認定する資格」であり、最終学歴は「中卒」のままである点を押さえておく必要があります。
✓ 「何もしない期間」が長引くリスク
中退直後はエネルギーが枯渇していることも多く、「しばらく休もう」という気持ちになるのは自然です。ただ、次の行動を起こさないまま半年・1年と経過すると、空白期間の説明が必要になる場面が増え、精神的にも社会復帰が難しくなっていきます。
中退後に最もリスクが高いのは「何もしないこと」です。完全に回復してから動き出すのではなく、小さな一歩を踏み出すことで状態が回復していくことの方が多いと、支援現場ではよく言われています。
高校を中退した後の6つの選択肢
中退後の道は、思っているよりずっと多様です。「もう選択肢がない」という感覚は、情報不足から生まれることがほとんどです。
1 通信制高校・定時制高校への転入・編入
中退後に最も選ばれるルートのひとつです。転入は在籍中に別の高校へ移ること、編入は中退後に改めて入学することを指します。通信制高校であれば、自分のペースで単位を取得しながら高卒資格を得られます。
以前に修得した単位が引き継げる場合も多く、1〜2年で卒業できるケースもあります。週1〜5日の通学頻度を選べる学校や、完全オンラインで完結する課程も増えており、体調や生活スタイルに合わせた選択が可能です。
2 高卒認定試験(高認)を取得して大学・専門学校進学を目指す
文部科学省が実施する高卒認定試験に合格すると、大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。年2回(8月・11月)実施されており、科目は最大8〜9科目ですが、高校在籍中に修得した単位で一部免除が可能です。
ただし前述のとおり、高認を取得しても最終学歴は「中卒」のまま変わらない点には注意が必要です。大学に進学して卒業すれば最終学歴は「大卒」になりますが、高認合格だけでは高卒扱いにはなりません。これを知らずに就職活動に入ると想定外の壁に直面することがあります。
3 高等専修学校(専修学校高等課程)への進学
美容・調理・IT・介護などの職業教育に特化した学校で、3年制を修了すると高卒資格と同等の扱いになる「大学入学資格付与校」もあります。実践的なスキルを学びながら学歴を取得できるため、明確な職業目標がある場合に適しています。
4 フリースクールで学び直す
中退直後で「すぐに次の学校に行くエネルギーがない」という段階では、フリースクールが有効な選択肢になります。フリースクールは学校教育法上の「学校」ではありませんが、基礎学習の立て直しやメンタルの回復、次のステップへの準備の場として機能します。
プラスイノベーションが運営するMIRAIZ(ミライズ)では、不登校や発達特性のある生徒が自分のペースで学べる環境を提供しています。通信制高校との連携による高校卒業資格の取得サポートも行っており、「学び直しながら高卒資格も取る」という両立が可能です。
5 就職・アルバイトからキャリアを始める
中退後に就職を選ぶ場合、最初からフルタイム正社員を目指す必要はありません。まずアルバイトや派遣から社会経験を積みながら、職業訓練や資格取得に並行して取り組む方法もあります。スキルなく就労を続けるだけでは学歴ハンデが解消されないため、何らかのスキル習得を並行させることが中長期的に重要です。
6 IT・職業訓練を受けてスキルを身につける
特にITスキルは、学歴に関係なく評価されやすい数少ない分野のひとつです。プログラミング・Webデザイン・データ入力・RPA開発など、実務スキルを持てば中卒・高校中退でも就労の間口が大きく広がります。障害や発達特性がある場合は、自立訓練や就労継続支援といった福祉サービスと組み合わせることで、無理なくスキルを積み上げる環境を作ることができます。
「次の一歩をどうすればいいか分からない」そのお気持ちに寄り添います
プラスイノベーションでは、高校中退後の進路・フリースクールでの学び直し・IT就労訓練まで
一人ひとりの状況に合わせた無料相談を行っています。
TEL: 06-6415-6977(本社:兵庫県尼崎市東難波町5丁目17-23)
中退後の選択肢を比較してみる
選択肢ごとに、最終学歴・大学進学の可否・期間の目安を整理しました。
この表からも分かるように、「高卒資格の取得」と「スキルの習得」は別の目標です。どちらを優先するかは本人の将来のビジョンによって変わるため、何を達成したいかを明確にしてから進路を選ぶことが重要です。
発達特性がある場合の高校中退と次のステップ
ADHDやASD、LDといった発達特性がある場合、高校という環境自体が本人の特性と合っていないことは珍しくありません。「集中できない」「みんなと同じペースで進められない」「暗黙のルールが読み取れない」——これらは特性ゆえの困難であり、本人の「甘え」や「努力不足」ではありません。
問題は、発達特性がある生徒が中退した後、特性への理解がない環境に再び飛び込んでしまうことで、同じ困難が繰り返されやすいことです。次の環境選びでは「自分の特性を知っているスタッフがいるか」「個別に対応してもらえるか」が、継続できるかどうかの大きな分かれ目になります。
✓ プラスイノベーションが提供する発達特性に対応した支援
株式会社プラスイノベーション(兵庫県尼崎市)は、「発達に凸凹がある子供たちの未来を創造する」というミッションのもと、ITを活用した療育・教育・就労支援を一貫して提供しています。高校中退後のルートとして特に関連するサービスは以下の2つです。
MIRAIZ(ミライズ)——フリースクール+高校卒業サポート
MIRAIZは、不登校や発達特性のある中高生が自分のペースで学べるフリースクールです。尼崎市認定フリースクールとして、在籍校との連携による出席扱いにも対応しています。
- 通信制高校との連携による高卒資格取得サポート(知的・発達障害がある方も対象)
- 大学進学(総合型選抜)対策・志望理由書作成支援
- ドルトンプラン×イエナプランによる探求型・個別最適化学習
- 臨床心理士・公認心理師による心理支援(WISC検査含む)
「不登校気味で高校進学が不安でしたが、MIRAIZで自分のペースで学べる環境に出会ってから、子ども自身が前向きに動けるようになりました。フリースクールや不登校の支援が充実していて、親としても安心できています。」
CYBER TECH ACADEMY——IT就労に特化した自立訓練(18歳以上)
18歳以上で高校中退後の就労を目指す方には、CYBER TECH ACADEMY(CTA)が選択肢になります。精神障害・発達障害のある方を対象にした福祉サービス(自立訓練)として位置づけられており、利用者負担は所得に応じて軽減されます。
- 訓練期間:最長2年間(就労後1年の定着支援つき)
- IT技術(プログラミング・Webデザイン・Office・RPA)と生活訓練を並行して学べる
- 卒業後はプラスイノベーションのITソリューション部門での就労も可能
- 作業療法士・公認心理師が常駐し、特性に合わせた個別支援を実施
高校中退後にIT分野を選ぶという視点
「中退後の進路」を考えるとき、ITスキルを軸に置くという発想は、まだ一般的ではないかもしれません。しかし、これは現実的な選択肢として十分に検討する価値があります。
経済産業省のデータによると、2030年には国内のIT人材が最大79万人不足すると試算されています。この不足を埋めるのは、必ずしも大卒のエンジニアである必要はなく、特定のスキルを持った実務者が求められる場面が拡大しています。
特に注目したいのが、発達特性との相性です。ADHDやASDのある方の中には、プログラミングやデータ処理、システム設計といったIT業務に強い集中力と精度を発揮する人が少なくありません。「学校生活では困難だったこと」が「ITの現場では強み」に変わるという逆転は、支援現場で実際に数多く報告されています。
プラスイノベーションが日本で初めて「IT療育型放課後等デイサービス」を立ち上げたのも、まさにこの視点からです。発達特性を「弱み」ではなく「ITにおける強み」として捉え直すアプローチは、療育・教育・就労支援の現場で10年以上の実績として積み重なっています。
「高校を辞めたい」と感じたら、まず試してほしいこと
「今すぐ中退したい」という気持ちは本物ですが、中退を決断する前に試してほしいことがあります。それは「今の学校の外に、別の選択肢がないかを確認すること」です。
✓ 担任・スクールカウンセラーへの相談
「辞めたい」と打ち明けることへの抵抗感があるかもしれませんが、担任やスクールカウンセラーに現状を伝えることで、校内での対応策(クラス変更・別室対応・保健室登校など)や、転学の案内を受けられることがあります。また、相談した記録が残ることで、その後の手続きも進みやすくなります。
✓ 通信制・定時制への「転入」を先に検討する
在籍中であれば、退学ではなく転入という選択が取れます。転入であれば修得単位がそのまま引き継がれるケースが多く、卒業までの期間も短縮できます。退学届を出す前に、転入先を調べておくと後悔が少なくなります。
✓ 専門の支援機関に相談する
学校外の第三者に相談することも有効です。特に発達特性が関係している場合、専門的な視点からのアドバイスは、学校内の相談では得られない情報をもたらしてくれます。支援機関では、現在の困りごとの整理から、利用できる制度の案内、次の進路の選択肢まで幅広くサポートしてもらえます。
保護者の方へ——子どもが「高校を辞めたい」と言ったとき
子どもから「学校を辞めたい」と言われたとき、多くの保護者が最初に感じるのは「将来が不安」という気持ちです。その感情は自然なものです。しかし、その不安を正面からぶつけてしまうと、子どもはますます話せなくなります。
「なぜ辞めたいのか」を、評価や結論を保留したまま聞くことが第一歩です。「辞めたら将来どうするんだ」という問いかけは、子どもに「結論を出してから話しなさい」と言っているのと同じで、相談しにくくなります。まずは現状の困りごとを聞くことに集中してください。
次に、「中退=終わり」ではないことを子どもと一緒に確認しましょう。通信制高校の資料請求、フリースクールの見学、支援機関への問い合わせを親子で一緒に行うことで、「次の選択肢がある」という実感が生まれます。その安心感が、冷静な判断を可能にします。
保護者だけで解決しようとすると、どうしても感情が入り込みます。第三者の専門機関に相談することで、保護者自身も整理がつき、子どもも「親以外の大人にも話せる」という経験が自己肯定感につながります。発達特性が関係している場合は特に、特性への理解のある支援機関への早期相談が重要です。
プラスイノベーションへのご相談について
株式会社プラスイノベーションでは、高校中退を検討している方・中退後の進路に悩んでいる方・お子さまの不登校や発達特性でお困りの保護者の方を対象に、無料相談を受け付けています。「まず話を聞いてもらいたい」という段階でも構いません。
尼崎市を拠点に、兵庫県・大阪府・東京都大田区での支援実績があり、読売テレビ・毎日新聞・神戸新聞などにも取り上げられた実績のある支援機関です。2016年の設立以来、「発達に凸凹がある子供たちの未来を創造する」というミッションのもと、療育から就労まで一貫した支援を提供し続けています。
- ✓ 高校中退後の進路・フリースクールでの学び直し(MIRAIZ)の案内
- ✓ 18歳以上の方向けIT就労訓練(CYBER TECH ACADEMY)の詳細説明
- ✓ 発達特性(ADHD・ASD・LDなど)への専門的な支援方法のご提案
- ✓ 利用できる福祉サービス・制度についての情報提供
「中退は終わりではない」——この言葉は、支援現場で10年以上にわたって子どもたちと向き合ってきた実感から来ています。どんな状況にあっても、次の一歩は必ずあります。
無料相談受付中
高校中退後の次の一歩を、一緒に考えます
フリースクールでの学び直し・高卒資格取得・IT就労訓練まで
特性に合わせたサポートをご提案します
📞 TEL: 06-6415-6977(本社:兵庫県尼崎市東難波町5丁目17-23)