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コラム

仕事が覚えられない原因とは?発達特性との関係と対処法を解説

2026.04.06

仕事が覚えられない原因と発達特性の関係|対処法と環境の整え方

「何度教わっても仕事が頭に入らない」「メモを取っても後で見返すと意味がわからない」「覚えたつもりがすぐに抜ける」——仕事を覚えられないという悩みは、多くの人が経験します。ただ、工夫を繰り返しても改善しない場合、その背景にADHDやASDなどの発達特性が関わっている可能性があります。本記事では、仕事が覚えられない原因を整理し、発達特性のある方に機能しやすい具体的な対処法を解説します。

仕事が覚えられない原因は「外側」と「内側」に分けられる

仕事が覚えられない原因を整理するとき、「外的要因」と「内的要因」に分けて考えることが有効です。外的要因は職場環境や教育体制、業務量の問題。内的要因は個人の認知特性やコンディション、学習スタイルの問題です。この2つを混同したまま「自分の努力が足りない」とだけ捉えていると、外側の問題を見落とす可能性があります。

外的要因の代表的なものは、教える側からの説明が口頭だけで体系化されていない、業務量が多すぎて覚える余裕がない、職場環境がうるさく集中できないなどです。これらは自分がどれだけ努力しても変えにくい条件であり、環境側の改善が必要です。

内的要因の中でも特に注意が必要なのは、「何度やっても覚えられない」という状況が継続している場合、発達特性が関わっている可能性があるという点です。

ワーキングメモリの特性——聞いた瞬間から忘れる仕組み

ADHDの特性がある方の仕事の覚えにくさには、ワーキングメモリ(作業記憶)の特性が関わっていることが多いです。ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持しながら処理する認知機能で、「聞きながら理解し、同時に書き留める」という複数のタスクを並行して行うための能力です。

ADHDの特性がある方はワーキングメモリの容量が小さくなりやすいとされており、口頭での説明を聞きながら内容を処理するという二重課題において、どちらかが追いつかなくなりやすいです。つまり「聞いた瞬間には理解できているが、処理が追いつかずに抜けてしまう」という現象が起きやすく、「なぜメモを取らなかったのか」という批判が的外れになることがあります。

ASDの特性——「暗黙の文脈」が変わると別の仕事に見える

ASD(自閉スペクトラム症)の特性がある方の覚えにくさは、やや異なるメカニズムから生まれます。ASDの特性がある方は、「同じ業務でも担当者や状況が変わると別の手順のように感じる」という経験をしやすいです。これは定型発達の人が暗黙に読み取っている「文脈の共通性」を、ASDの特性がある方は明示的に処理しているためで、文脈が変わるたびに別の情報として扱ってしまいやすいのです。

また、指示が抽象的だと何をすべきかがわからなくなるという困りごともよく見られます。「適当にやっておいて」「前と同じ感じで」という指示が全くの新しい課題として受け取られる場合、それは不真面目さではなく特性によるものです。

興味の有無による記憶の著しい差

ADHDの特性がある方の中に、「興味があることは記憶が異常に良く、興味がないことは驚くほど覚えられない」という経験を持つ方が多くいます。これはやる気や意欲の問題というより、ADHDの特性として知られる「関心駆動型の集中」(特定の刺激に対してのみ集中が機能しやすい)が関わっている可能性があります。

上位記事の多くが「興味がないから覚えられない」という現象を「やる気不足」として扱いがちですが、この興味による記憶差は特性として生じている場合があり、「もっと仕事に興味を持てば解決する」という方向のアドバイスは機能しにくいです。重要なのは、興味を作ろうとするのではなく、覚えなくても済む仕組みを作るか、興味が持てる業務との接点を見つけることです。

よくある対処法が機能しない理由

「メモを取る」「復習する」「質問する」という一般的なアドバイスは、多くの場合有効ですが、発達特性のある方には別のアプローチが必要なケースがあります。

メモを取ることについていえば、ADHDの特性がある方はメモを取ること自体は実行できても「どこに何を書いたか」を忘れる、メモ帳を紛失する、メモを確認する習慣が続かないという問題が生じやすいです。メモという手段が機能するためには「メモした内容を後で使う」という行動まで含めた設計が必要であり、これは意識だけでは続きません。

復習についても、ADHDの特性がある方は「後でやる」という先延ばしが生じやすく、仕事終わりに復習の時間を設けようとしてもできないことが多いです。「毎日帰る前に5分復習する」というルーティンは、ルーティン設定そのものが苦手という特性と衝突します。

💡 POINT
発達特性がある場合の「覚えられない」問題には、「覚えようとする努力の量を増やす」よりも、「覚えなくても動ける仕組みを設計する」という方向が機能しやすいです。覚える負荷を下げるための外部化(チェックリスト・フローチャート・スマートフォンのリマインダーなど)を活用することが、長期的に安定しやすい対処法になります。

発達特性のある方に機能しやすい具体的な工夫

発達特性の観点から機能しやすいのは、「意志力を使わない外部化」のアプローチです。

手順を「覚える」のではなく「参照する」設計にする

業務のフローチャートや手順書を自分で作成し、「覚えなくても動けるリファレンス」を手元に置く方法は、発達特性のある方に特に有効です。ここで重要なのは、会社が用意したマニュアルをそのまま使うのではなく、自分の認知スタイルに合わせた形(図解、色分け、1ステップずつの箇条書きなど)に変換することです。

視覚優位の方(図や絵で理解しやすい)は、文字だけの手順書より、フローチャートや写真付きの手順書の方が参照しやすいです。ASDの特性がある方は「状況Aのときはこの手順、状況Bのときはこの手順」という分岐を明示したチャートが機能しやすい傾向があります。

情報の入力経路を変える

口頭での説明が入りにくい方は、説明を聞くことと記録することを分離することが有効です。「まず説明を聞くことに集中し、後で要点を確認させてほしい」と伝えることで、口頭理解とメモ取りの二重課題を解消できます。スマートフォンのボイスメモ機能で録音しておき、後で聴き直す方法も選択肢になります。

また「実際にやってみることで覚える体感覚型」の方には、見て学ぶより手を動かして覚える機会を増やすことが有効です。人それぞれ「どの経路で情報が入りやすいか」に違いがあり、この特性を職場に理解してもらうことが、合理的配慮の活用につながります。

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「覚えられない」が長期間続く場合に考えること

一般的に、職場環境や業務内容に慣れる時間は、新入社員であれば3〜6ヶ月程度が目安とされています。ただし、発達特性がある場合は「慣れる」という感覚が定型発達の方とは異なる形で現れるか、慣れまでの時間が長くなることがあります。

「1年経っても同じミスを繰り返す」「3つの仕事を同時に頭に入れられない」「手順が毎回新しいように感じる」という状況が続く場合は、発達特性の可能性を含めて専門機関に相談することが選択肢になります。診断の有無にかかわらず、自分の認知特性を正確に把握することは、職場での合理的配慮の活用や適職選びに直接つながります。

また、「覚えられない」という自覚とともに強い不安や萎縮感がある場合は、職場環境によって引き起こされているメンタルの問題が覚えにくさを悪化させているケースもあります。脅される環境、常に怒鳴られる環境では、コルチゾールなどのストレスホルモンが記憶の定着を妨げるという研究も知られており、環境が覚えにくさの主因になっているケースは珍しくありません。

まとめ:プラスイノベーションへのご相談について

仕事が覚えられない原因は、外的要因(職場環境・教育体制)と内的要因(発達特性・認知スタイル・コンディション)に分けられます。工夫を重ねても改善しない場合、その背景に発達特性が関わっていることがあります。

対処の方向性としては「覚える努力の量を増やす」よりも「覚えなくても動ける外部化の仕組みを作る」アプローチが機能しやすく、情報の入力経路を変えること・フローチャートや参照資料を活用することが有効です。

プラスイノベーションのCYBER TECH ACADEMYでは、発達障害・精神障害のある方向けのIT就労訓練の中で、各自の認知特性に合わせた学習方法の習得もサポートしています。「個人にあったペースで教えてもらえるため、モチベーションが下がることなく続けることができている」というご利用者の声が届いています。仕事の覚えにくさや働き方の困りごとについて、無料相談からお気軽にご連絡ください。

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