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コラム

就労選択支援とは?就労継続支援A型・B型との関係性と選び方を解説

2025.12.22

就労選択支援とは?就労継続支援との関係性と、あなたに最適な選択肢を見つける方法

2025年10月、障害者総合支援法の改正により、新たに「就労選択支援」というサービスが誕生しました。これまで障害のある方が就労系サービスを選ぶ際、十分な情報やアセスメントがないまま選択を迫られるケースが少なくありませんでした。就労継続支援A型とB型のどちらが適しているのか、それとも就労移行支援から始めるべきなのか。こうした重要な決断を、より適切に行えるよう支援するのが就労選択支援の役割です。

本記事では、就労選択支援の具体的な内容から、就労継続支援A型・B型との関係性、実際の利用方法まで、現場で障害者支援に携わる立場から詳しく解説していきます。

就労選択支援が生まれた背景

障害者の就労支援において、長年指摘されてきた課題がありました。それは、本人の希望や能力、特性に合わない就労系サービスを選択してしまうケースが後を絶たないという現実です。

厚生労働省の調査によれば、就労継続支援A型事業所の約3割で、実は本来B型が適していたと思われる利用者が在籍していたことが明らかになっています。逆に、B型事業所でも一般就労の可能性がある方が、適切なアセスメントを受けられないまま長期間過ごしているケースも散見されました。

こうした「ミスマッチ」が生じる要因として、以下のような問題が挙げられます。

  • 相談支援専門員の経験値や知識によって、提案される選択肢が限定される
  • 本人の特性を客観的に把握するための専門的なアセスメントが不足している
  • 地域によって利用できる事業所の種類や数に偏りがあり、選択肢自体が限られる
  • 短期間の体験利用だけでは、本人の適性を十分に見極められない

就労選択支援は、こうした構造的な課題を解決するために設計された、より専門的で客観的なアセスメントに基づいた選択を支援する仕組みなのです。

就労選択支援の具体的な内容

就労選択支援では、専門的な訓練を受けた「就労選択支援員」が中心となり、以下の4つの柱で支援を展開します。

作業場面等を活用した就労アセスメント

これは就労選択支援の核となる部分です。単なる面談や書類確認ではなく、実際の作業場面を通じて本人の特性を多角的に把握していきます。期間は原則として2週間から4週間程度で、以下のような観点から詳細な評価を行います。

作業スキルの評価では、手先の器用さ、集中力の持続時間、作業の正確性といった基本的な能力を測定します。しかし、それ以上に重要なのが、本人の「働く」ことへの意欲や、新しい作業への適応力、指示理解の特性といった、数値化しにくい部分の見極めです。

例えば、発達障害のある方の場合、視覚的な指示は理解できても口頭での説明だけでは混乱してしまうケースがあります。こうした特性を把握することで、どのような職場環境や支援方法が適しているかが明確になってきます。

多機関連携によるケース会議

就労選択支援では、支援員だけでなく、相談支援専門員、医療機関、教育機関、ハローワーク、そして家族など、本人を取り巻く関係者が一堂に会してケース会議を実施します。

このプロセスが極めて重要なのは、それぞれの立場から見た本人の姿が、実は大きく異なることが珍しくないからです。家庭では落ち着いて過ごせているのに、集団場面では強い不安を感じてしまう。逆に、学校では問題なく活動できているのに、家族は将来の就労に大きな不安を抱えている。こうした情報の統合によって、より立体的な理解が可能になります。

本人との協働によるアセスメントシートの作成

就労選択支援の特徴は、支援者が一方的に評価を下すのではなく、本人と一緒にアセスメント結果を確認し、今後の方向性を話し合いながらシートを作り上げていく点にあります。

これにより、本人自身が自分の強みや課題を客観的に理解し、「支援者に決められた」のではなく「自分で選んだ」という主体性を持つことができます。この主体性こそが、その後の支援において最も重要な土台となるのです。

事業者等との連絡調整

アセスメント結果を踏まえ、実際に利用する事業所との調整も就労選択支援の役割です。事業所側にも本人の特性や必要な配慮事項を事前に伝えることで、スムーズな利用開始につながります。

就労継続支援A型・B型の選択における就労選択支援の役割

就労選択支援が特に力を発揮するのが、就労継続支援A型とB型のどちらを選ぶかという場面です。両者の違いを理解した上で、就労選択支援がどう機能するのかを見ていきましょう。

就労継続支援A型・B型の本質的な違い

A型は雇用契約を結び、最低賃金以上の給与が保障される一方、週20時間程度の就労が求められます。B型は雇用契約がなく工賃制ですが、短時間から柔軟に働くことができます。

しかし、実際の選択場面では、この制度上の違いだけで判断することはできません。「雇用契約があるA型の方が良い」という単純な話ではないのです。

例えば、精神障害のある方で体調に波がある場合、A型の固定的な勤務時間が大きな負担となり、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。一方、知的障害があっても作業能力が高く、規則的な生活リズムが確立している方であれば、A型での就労が本人の自信につながり、将来的な一般就労への橋渡しにもなります。

就労選択支援による客観的判断

就労選択支援では、以下のような観点から総合的にA型・B型の適性を判断します。

体力・持久力の評価

週20時間程度の就労に必要な体力があるか、疲労からの回復力はどの程度かを実際の作業を通じて確認します。単に「働けるか」ではなく、「継続的に働き続けられるか」という視点が重要です。

作業遂行能力

A型で求められる作業水準に到達できるか、品質管理や納期意識を持つことができるかを評価します。ここで注意が必要なのは、「できない」からB型というネガティブな判断ではなく、「今の段階ではB型で経験を積み、将来的にA型を目指す」という成長を見据えた判断も含まれることです。

対人関係・コミュニケーション

A型では他の従業員との協働が求められることが多く、最低限のコミュニケーションスキルが必要です。しかし、これも絶対的な基準ではなく、事業所の環境や支援体制によって求められる水準は異なります。

生活リズムの安定性

定時出勤が可能か、規則的な生活サイクルが維持できているかも重要な判断材料です。起立性調節障害などで朝の起床が困難な方の場合、午後からの勤務が可能なB型の方が適している場合もあります。

就労選択支援の対象者と利用方法

対象となる方

就労選択支援は、以下のような方が利用できます。

  • 就労系障害福祉サービス(就労移行支援、就労継続支援A型・B型、就労定着支援)の利用を希望する方
  • 現在就労系サービスを利用中で、他のサービスへの変更を検討している方
  • 特別支援学校の在学生で、卒業後の進路を検討している方

特筆すべきは、特別支援学校の在学生も利用できる点です。これまでは卒業してから進路を決める必要がありましたが、在学中に複数の選択肢を体験し、より適切な進路選択ができるようになりました。

利用の流れ

1

相談支援事業所への相談

まずは市区町村の障害福祉窓口または相談支援事業所に相談します。ここで就労選択支援の利用が適切かどうかを判断します。

2

受給者証の申請

市区町村に障害福祉サービス受給者証の申請を行います。就労選択支援も障害福祉サービスの一つなので、受給者証が必要です。

3

事業所の選定と利用開始

就労選択支援を実施している事業所を選び、実際のアセスメントが開始されます。

4

次のステップへ

アセスメント結果を踏まえ、適切な就労系サービスの利用へと進みます。

利用料金

就労選択支援の利用料は、他の障害福祉サービスと同様、世帯の所得に応じた負担上限額が設定されています。多くの方は無料または低額で利用できる仕組みとなっています。

プラスイノベーションにおける就労選択支援との連携

私たちプラスイノベーションでは、療育から就労までの一貫した支援体制を構築してきました。就労選択支援の開始は、この支援の流れをより強固なものにする重要な転換点となっています。

就労選択支援後のIT特化型訓練

就労選択支援を受けた結果、IT分野での就労が適していると判断された方については、当社が運営するIT特化型自立訓練事業所「CYBER TECH ACADEMY」で、より専門的なスキル習得と就労準備を進めることができます。

CYBER TECH ACADEMYでは、最長2年間をかけて実践的なIT技術を習得できます。データ入力やExcel操作といった基礎から、プログラミング、Webデザイン、システム開発補助まで、段階的にスキルを高めていく環境が整っています。

発達障害のある方の中には、対人コミュニケーションは苦手でも、パソコンを使った作業では高い集中力と正確性を発揮するケースが少なくありません。就労選択支援でこうした特性が明らかになった場合、CYBER TECH ACADEMYでの訓練が、その強みをさらに伸ばし、確実な就労につなげる最適なステップとなります。

ワークリンク尼崎とのシームレスな連携

就労選択支援の結果、就労継続支援B型が適切と判断された方については、当社運営の「ワークリンク尼崎」へスムーズに移行できる体制を整えています。

アセスメントで把握された本人の特性や配慮事項は、そのままワークリンクのスタッフに引き継がれるため、改めて説明する必要がなく、初日から適切な支援を受けることができます。また、IT・パソコン業務に特化したB型事業所という特性上、アセスメントで見えたIT適性を直接活かせる環境が整っています。

さらに、ワークリンクには臨床心理士・公認心理師が常駐しており、就労面だけでなく心理的なサポートも継続して受けられる点が、利用者の皆様から高く評価されています。

Kid'sTECHからの成長を見据えた支援

当社の放課後等デイサービス「Kid'sTECH」を利用されていたお子様が高校卒業後の進路を考える際、就労選択支援は極めて有効なツールとなります。

Kid'sTECHで培ったITスキルを、どのように就労に活かしていくか。一般企業での就職を目指すのか、まずは自立訓練で実践的なスキルを磨くのか、あるいはB型事業所で段階的に就労経験を積んでいくのか。こうした重要な選択を、客観的なアセスメントに基づいて行えるようになったのです。

よくある質問

就労選択支援は必ず受けなければならないのでしょうか

いいえ、義務ではありません。ただし、2025年10月以降、就労継続支援A型を初めて利用する場合は、原則として就労選択支援または就労移行支援の利用が要件となっています。B型については、以前からアセスメントが要件となっており、就労選択支援がその選択肢の一つとして位置づけられています。

就労選択支援を受けたら、必ずその結果に従わなければなりませんか

最終的な選択は本人と家族が行います。就労選択支援は、あくまで「より良い選択をするための情報提供と支援」であり、結果を強制するものではありません。ただし、専門的な評価に基づく提案ですので、真摯に受け止めることが望ましいでしょう。

アセスメント期間中は給料をもらえますか

就労選択支援は就労ではなく、あくまでアセスメントのための支援サービスです。そのため、給料や工賃は発生しません。ただし、交通費の補助などが受けられる場合もありますので、事業所に確認してください。

すでに就労継続支援B型を利用していますが、A型への移行を考えています。就労選択支援を利用できますか

はい、利用できます。現在利用中のサービスから別のサービスへの移行を検討する場合も、就労選択支援の対象となります。B型での経験を踏まえた上で、A型への移行が適切かどうか、客観的に評価することができます。

まとめ:あなたに最適な就労の形を見つけるために

就労選択支援は、障害のある方が「自分に合った働き方」を見つけるための、新しい羅針盤です。就労継続支援A型とB型、就労移行支援、それぞれに特徴があり、どれが正解ということはありません。大切なのは、今のあなたに最も適した選択をすることです。

そして、その選択は決して固定的なものではありません。B型から始めて、スキルと自信を身につけた後にA型へステップアップする。A型で経験を積んだ後、一般就労にチャレンジする。あるいは、一度一般就労したものの、体調面で継続が難しくなったため、B型で無理のない働き方を選ぶ。どのような道筋も、その時々のあなたにとってベストな選択であれば、それが正しい道なのです。

就労選択支援は、そうした柔軟なキャリアパスを実現するための、重要な一歩となるでしょう。

💡 プラスイノベーションへのご相談

プラスイノベーションでは、就労選択支援の実施体制を整えるとともに、IT特化型の自立訓練事業所「CYBER TECH ACADEMY」、就労継続支援B型事業所「ワークリンク尼崎」を運営しています。

「自分にはどの支援が合っているのか分からない」「IT分野での就労に興味がある」「子どもの将来の就労について相談したい」など、どのようなご相談でもお気軽にお問い合わせください。

臨床心理士・公認心理師をはじめとする専門スタッフが、あなたやご家族の不安に寄り添い、最適な選択を一緒に考えます。

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