ヘルプマークとは?対象者から配布場所、使い方まで詳しく解説
ヘルプマークとは何か
ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としていることが外見からは分からない方々が、周囲に配慮を必要としていることを知らせることができるマークです。赤地に白い十字とハートのデザインが特徴で、ストラップやキーホルダーとして鞄などに付けて使用します。
2012年に東京都が作成して以来、全国の自治体に普及が進み、2017年7月20日にはJIS(案内用図記号)に追加されました。この日付にちなんで、7月20日は「ヘルプマークの日」として制定されています。現在では都道府県や市区町村の窓口、駅の窓口などで無料配布されており、誰でも必要に応じて入手できます。
✓ ヘルプマークが作られた背景
多くの障害や疾患は、外見からは判断できません。例えば、心臓病やがん、難病などの内部障害、発達障害や精神障害、さらには妊娠初期の体調不良なども、見た目では分かりにくいものです。そのため、電車やバスで優先席に座っていても「若いのに座っている」と誤解されたり、災害時に必要な支援を受けられなかったりするケースがありました。
こうした「見えない障害」を抱える方々が、自ら支援を必要としていることを示し、周囲の理解と配慮を得やすくするために、ヘルプマークは誕生しました。マークを身に着けることで、本人が口に出して説明しなくても、周囲に配慮が必要であることを伝えられるのです。
ヘルプマークの対象者
ヘルプマークには、明確な「対象疾患リスト」のようなものは存在しません。基本的には、外見からは分からないが、援助や配慮を必要としている方であれば、誰でも利用できます。障害者手帳の有無も問われません。
✓ 身体的な障害や疾患
- 義足や人工関節を使用している方
- 心臓病、腎臓病などの内部障害のある方
- 難病(膠原病、クローン病、パーキンソン病など)の方
- がん治療中の方
- ヘルニアなど痛みを伴う疾患のある方
- 妊娠初期の方
✓ 精神障害・発達障害
近年、特に利用が広がっているのが、精神障害や発達障害のある方々です。これらの障害は外見からは全く分からないため、周囲の理解を得にくいという課題がありました。
- うつ病、双極性障害、統合失調症などの精神疾患のある方
- 発達障害(ASD・ADHD・LD)のある方
- 知的障害のある方
- パニック障害、強迫性障害のある方
- 高次脳機能障害のある方
✓ その他の対象者
- 起立性調節障害など、長時間立っていることが困難な方
- てんかんのある方
- 失語症など、コミュニケーションに困難のある方
- 一時的なケガや体調不良で配慮が必要な方
ヘルプマークの入手方法と配布場所
ヘルプマークは全国の自治体で無料配布されています。入手に際して、障害者手帳や診断書の提示は不要です。「配慮や援助が必要」と感じる方であれば、誰でも受け取ることができます。
✓ 主な配布場所
- ✓ 都道府県庁・市区町村役所の障害福祉担当窓口
- ✓ 保健所・保健センター
- ✓ 鉄道駅の窓口(JR東日本、各私鉄など)
- ✓ バス営業所
- ✓ 一部の病院・障害者福祉施設
配布場所は自治体によって異なるため、事前にお住まいの自治体のホームページで確認するか、障害福祉担当窓口に問い合わせることをお勧めします。東京都では都庁をはじめ、都営地下鉄の各駅務室などでも配布されています。
✓ 郵送での入手も可能
体調や障害の状況により、窓口まで出向くことが難しい場合には、郵送で入手できる自治体もあります。東京都では返信用封筒を同封して申し込むことで、郵送での配布に対応しています。ただし、郵送対応の有無や方法は自治体によって異なりますので、各自治体にご確認ください。
✓ 複数個の入手について
ヘルプマークは、使用するバッグやリュックごとに付け替える手間を省くため、複数個配布している自治体もあります。通学用、外出用など、用途に応じて使い分けることができます。ただし、転売目的での大量入手は禁止されています。
ヘルプマークの使い方
ヘルプマークは、単に持っているだけでなく、適切に使用することで本来の効果を発揮します。基本的な使い方から、より効果的な活用方法まで解説します。
✓ どこに付けるのか
ヘルプマークは、周囲の人の目に付きやすい場所に取り付けることが推奨されています。
- 鞄やリュックの外側(最も一般的)
- 車椅子やベビーカー
- 杖やストラップ
- ポーチやパスケース
鞄の中に入れてしまうと、周囲から見えないため意味がありません。必ず外側の見えやすい位置に取り付けましょう。
✓ 裏面への記入
ヘルプマークの裏面には、シールを貼るスペースがあります。ここに必要な情報を記入しておくことで、緊急時に適切な支援を受けやすくなります。
記入すると良い情報
- 配慮してほしい内容(「優先席をゆずってください」「声をかけてください」など)
- 緊急時の対応方法(「意識を失ったら救急車を呼んでください」「パニックになったら落ち着くまで見守ってください」など)
- 緊急連絡先(家族の電話番号など)
- 障害や疾患の名称(必要に応じて)
✓ 子どもが使用する場合の注意点
発達障害のあるお子さまがヘルプマークを使用する場合、本人がマークの意味を理解できるよう、年齢に応じた説明が必要です。「このマークをつけていると、困ったときに周りの人が助けてくれるよ」といった形で、肯定的に伝えましょう。
また、子ども本人が「付けたくない」と感じる場合は無理強いせず、本人の気持ちを尊重することも大切です。周囲の理解を得ることと、本人の自尊心とのバランスを考えながら活用しましょう。
ヘルプマークを見かけたときの対応
ヘルプマークを身に着けている人を見かけたとき、私たちにできることがあります。特別なことではなく、ちょっとした配慮や声かけが、当事者の方の大きな支えになります。
✓ 電車やバスでの配慮
電車やバスの中でヘルプマークを付けている方を見かけたら、席を譲ることを検討してください。外見からは分かりにくくても、長時間立っていることが困難な方、体調が優れない方がいらっしゃいます。
声をかける際は、「どうぞ」と簡潔に伝えるだけで十分です。無理に理由を聞いたり、詳しい事情を尋ねたりする必要はありません。もし断られた場合も、気を悪くせず「お大事に」と声をかけるだけで、相手には配慮の気持ちが伝わります。
✓ 駅や商業施設での配慮
駅の階段やエスカレーター、混雑した商業施設などで、困っているように見える方がいたら、「何かお手伝いしましょうか」と声をかけてみましょう。ただし、発達障害や精神障害のある方の中には、突然声をかけられることで驚いてしまう場合もあります。急に後ろから声をかけるのではなく、正面から穏やかに声をかけることを心がけてください。
✓ 災害時の支援
災害時には、ヘルプマークを付けている方への特別な配慮が必要になります。避難誘導の際に声をかける、避難所で必要な支援を確認するなど、できる範囲での手助けを心がけましょう。特に、発達障害や知的障害のある方は、突然の環境変化でパニックになる可能性があるため、落ち着いた声かけと見守りが重要です。
✓ 過度な詮索は避ける
ヘルプマークを付けている方に対して、「どんな病気ですか」「何の障害があるんですか」といった詮索は避けましょう。本人が話したいと思わない限り、詳細を尋ねる必要はありません。配慮の気持ちを持ちつつ、相手のプライバシーを尊重する姿勢が大切です。
ヘルプカードとの違い
ヘルプマークとよく混同されるものに「ヘルプカード」があります。両者は目的が似ていますが、使い方や役割に違いがあります。
✓ ヘルプカードとは
ヘルプカードは、障害のある方が携帯し、緊急時や困ったときに周囲に提示するカード型のツールです。カードには、氏名、緊急連絡先、障害の種類、必要な支援内容などを記入できるようになっています。ヘルプマークが「配慮が必要であることを示すマーク」であるのに対し、ヘルプカードは「具体的にどのような支援が必要かを伝えるカード」という違いがあります。
✓ 併用することで効果が高まる
ヘルプマークとヘルプカードは、併用することでより効果的に活用できます。普段はヘルプマークを鞄に付けておき、実際に困った場面や緊急時にはヘルプカードを提示して具体的な支援内容を伝える、という使い分けが可能です。
ヘルプマークに関するよくある質問
✓ 障害者手帳がなくても入手できますか
はい、入手できます。ヘルプマークの配布に障害者手帳や診断書は不要です。「援助や配慮が必要」と感じる方であれば、誰でも受け取ることができます。
✓ ヘルプマークに青色のものはありますか
公式のヘルプマークは赤地に白い十字とハートのデザインのみです。青色や他の色のマークは、公式のヘルプマークではありません。ただし、一部の自治体や団体が独自に作成した類似のマークが存在する場合があります。
✓ うつ病でもヘルプマークを使えますか
はい、使えます。うつ病など精神疾患のある方も、ヘルプマークの対象者です。体調の波があり、外出時に配慮が必要な場合には、ヘルプマークを活用することができます。
✓ 子どもでもヘルプマークをもらえますか
はい、もらえます。発達障害のあるお子さまなど、配慮が必要な子どもも対象です。保護者の方が代わりに窓口で受け取ることもできます。
✓ ヘルプマークを付けていると何かメリットがありますか
ヘルプマークには法的な優遇措置などはありませんが、周囲の方に配慮が必要であることを知らせることで、電車やバスで席を譲ってもらいやすくなったり、困ったときに声をかけてもらいやすくなったりします。また、災害時などの緊急時に、適切な支援を受けやすくなる効果も期待できます。
発達障害のあるお子さまへの支援について
ヘルプマークの対象者の中でも、特に発達障害のあるお子さまとそのご家族は、日々さまざまな場面で配慮を必要としています。外見からは分かりにくい特性ゆえに、周囲の誤解を受けることも少なくありません。
株式会社プラスイノベーションでは、発達障害のあるお子さまの「弱み」を「強み」に変える支援を行っています。2016年から運営するKid'sTECH(キッズテック)は、日本初のIT療育型放課後等デイサービスとして、プログラミングを療育ツールに活用した独自のアプローチを展開しています。
✓ Kid'sTECHの特徴
- ✓ ADHD・ASD・LDなど発達特性のあるお子さまに対応
- ✓ プログラミングを通じて論理的思考力と集中力を育成
- ✓ 臨床心理士・公認心理師が常駐し、専門的な支援を提供
- ✓ 個別最適化されたカリキュラムで、お子さまのペースに合わせた学習
- ✓ 将来のIT就労につながるスキル習得
また、高校生や成人の方向けには、IT就労特化型の自立訓練「CYBER TECH ACADEMY」、就労継続支援B型「ワークリンク尼崎」など、一貫した支援体制を整えています。お子さまの成長段階に応じて、療育から就労まで切れ目のないサポートを提供できることが、プラスイノベーションの強みです。
まとめ
ヘルプマークは、外見からは分かりにくい障害や疾患を抱える方が、周囲に配慮を必要としていることを知らせるための大切なツールです。誰でも無料で入手でき、障害者手帳の有無も問われません。対象者は、内部障害、難病、精神障害、発達障害など多岐にわたり、一時的な体調不良の方も利用できます。
ヘルプマークを見かけたときは、電車やバスで席を譲る、困っているようであれば声をかけるなど、できる範囲での配慮を心がけましょう。一方で、過度な詮索は避け、相手のプライバシーを尊重する姿勢も大切です。
特に発達障害のあるお子さまとそのご家族にとって、ヘルプマークは日常生活での理解を得るための重要なツールとなります。しかし、マークを付けるだけでなく、お子さまの特性を理解し、適切な支援や療育を受けることで、より豊かな成長を促すことができます。
株式会社プラスイノベーションでは、発達障害のあるお子さまの可能性を最大限に引き出すための支援を行っています。「うちの子にはヘルプマークが必要かもしれない」と感じたら、まずは専門家に相談してみることをお勧めします。お子さまの特性を正しく理解し、適切なサポートを受けることが、将来の自立と社会参加につながります。
※無料相談・見学を随時受け付けております